設立趣旨

■MRSA(methicillin-resistant staphylococcus aureus )感染症に即効性かつ強力な有効 性を示すファースト・イン・クラス の抗生物質の開発 。薬剤耐性菌 MRSA (methicillin-resistant staphylococcus aureus )は、1990 年代以降世界各国の医療施設 で広く蔓延し、院内耐性菌感染症の最も主要な原因菌として臨床上の大きな問題となっ ている。近年では既存薬に対する耐性化が更に進み、市中感染型の MRSA も報告される 等、患者数は益々増加傾向にある。

■Lotilibcin(ロチリブシン)は、1994 年に日本国内の土壌中から発見された新規構造・作用 メカニズムを持つ全く新しい分類(デプシペプタイド系)の抗生物質である。本化合物 は既存薬と比べて抗菌スペクトルが狭い特徴を持ち、MRSA に対しては、特に血清存在 下において 10 倍以上抗菌力が増強され、開発中を含む全ての抗 MRSA 抗菌薬を上回る 非常に強い抗菌活性を示す。Lotilibcin は市場(約 6,000 億円)の大半を占める主要 3 品目 (バンコマイシン、ザイボックス、キュービシン)を上回り、かつ耐性菌問題を解決できる 画期的な新規抗生物質としての上市を目指す。(ザイボックス(ファルマシア→ファイザ ー)及びキュービシン(キュービスト→メルク, 2014年12月)の売却額は、 1兆円を超える。 )

■感染症治療は過去 50 年以上にわたり、古い抗菌薬であるバンコマイシンに大きく依存し ている。Lotilibcin は、バンコマイシンに対し用量比で 50 倍を超える強力な有効性プロ ファイルを持つことに加え、最大の特徴として、抗菌作用を発揮するまでにかかる時間 がバンコマイシン(24 時間)の約 300 倍も速く、僅か 2-3 分である特徴をもつことから、 全ての抗菌薬の中で最も短時間で MRSA に対する抗菌力を発揮する。当社では本化合物 を「超速効型抗MRSA 抗菌薬」として開発する。